検索
  • 木下史彦

アジャイルと契約

最終更新: 3月17日



Agile Studio プロデューサー の木下です。


先日開催しました Agile Studio ウェビナー にて「アジャイルと契約」をテーマにお話ししました。アジャイル開発における契約の課題に関しては以前から研修やコーチでご質問をお受けるすることが多く、今回のウェビナーでも多くの方が関心をもっていらっしゃることが分かりました。ご参考になればと思いますので、ウェビナーで使った資料を公開します。


資料のフルバージョンはこちらからご覧ください。

https://speakerdeck.com/fkino/agile-contracts

忙しい人向けダイジェスト

  • アジャイル開発では「金額、開発範囲、スケジュール」といったものに合意できない代わりに「プロダクトの価値を最大化するために計画を調整し続ける」「チームのフローを最大化するために改善し続ける」「それぞれの役割を果たすのはもちろん、役割を越えて協力する」といったことに合意しておくことが重要。


  • IPAと情報処理学会のモデル契約は「スクラムがベース」「準委任契約」「POは発注側から専任する」という点が共通する特徴。


  • DXレポートでは「あらゆるユーザー企業が”デジタル企業”に」なっていくとし、そのためには「ユーザー企業とベンダ企業の新たな関係構築が必要」と説いている。ユーザー企業、ベンダ企業それぞれにとって有利/不利といった小さな話ではなく、日本の産業界をこれからどうしていくのかという問題。


  • 偽装請負に関して、法曹有識者の見解は一様に「アジャイル開発におけるチーム内でのメンバー(PO、SMを含む)同士の提案・助言は偽装請負で問題とされる指示命令にはあたらないというもの。ただし、所轄官庁(及び裁判所)が判断する事柄であるため絶対にOKという断言はできない。

※偽装請負の問題については白黒はっきりさせるべく、関係各所と調整を継続中。


  • 見積りは「プロジェクトレイヤ(アジャイルな見積り)」と「契約レイヤ(御見積書)」を分けて考える。


  • 再委託は「いかに範囲を区切って投げるか」ではなく「いかに同じチームの中に入って一緒にやれるか」を考える。


  • 「要件を決められないから準委任」は危険。受発注関係でアジャイル開発を進める場合は「トレードオフ(いわゆるQCDS)に対する戦略」「チーム内外の関係者・役割」「ざっくりとした全体ボリュームと期間の把握」など事前に決めておいた方がよい。


  • ユーザー(もしくはベンダ)のアジャイル理解が重要ということがよく言われるが「計画型から適応型へ」「受発注関係から共創関係へ」「指揮命令からセルフマネジメントへ」と現実が変化していることを契約当事者同士が腹の底から理解していることが重要。


さいごに

こうして講演で契約の話していると契約をとても重要視しているように取られがちですが、契約はあくまでもツールだと思っています。

日本でソフトウェアの開発に関わっていると、受発注の問題を避けて通ることができません。そういった現状の中でユーザー企業とベンダ企業がよりよい関係を構築できるように少しでも力になれればという思いでお話しさせていただきました。


契約に限らずアジャイル開発に関するご相談がある方はぜひお問い合わせください。Agile Studio のリモート見学もお申し込み受付しています。


お問い合わせ


リモート見学

1,531回の閲覧0件のコメント